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コラム - バナナの糖質以外の栄養ポイントと保存のコツ

やっぱり《バナナ》はすごかった! 糖質以外の栄養ポイントと保存のコツ

●バナナがエネルギー補給に良いといわれる理由

スポーツ選手が競技前や試合中に「バナナ」を食べている光景を目にすることも多いでしょう。バナナはエネルギー補給の代名詞のようなフルーツと言えそうです。バナナを食べるとパワーが長持ちするのは、なぜなのでしょう。エネルギーのもととなる糖質以外の注目成分はあるのでしょうか。この記事では、そんな疑問と向き合ってみたいと思います。

●バナナに含まれる糖質は多様性に富んでいるからエネルギーが長持ちする

持久力が必要とされるスポーツでは、アスリートがバナナを食べてエネルギー補給する光景も珍しくありません。
バナナ1本分(皮などを除いた正味重量120g)には、112kcal(キロカロリー)のエネルギーが含まれていますが、おにぎり1個分(100g・170kcal)よりも実は控えめ。ですが、おにぎりに含まれる糖質の主成分(デンプン)よりも、バナナに含まれる糖質の主成分(果糖、ブドウ糖、ショ糖など)は消化吸収されやすく、エネルギーにすばやく変換されやすい性質があります。
 一方、バナナには消化速度が比較的ゆるやかなデンプンも含まれているため、腹持ちが良い特徴も。つまり、バナナのエネルギーは即効性と持続性をあわせ持っているハイブリットさが最大の長所。皮をむくだけですぐに食べられ、持ち運びできる手軽さも幅広い年代のエネルギー補給源として重宝されている理由でしょう。

●筋肉の動きを調節したり、リラックス作用を促す成分も!

バナナには、不足すると筋肉の痙攣(けいれん)を起こしやすいカリウムや筋肉の動きを調整する働きがあるマグネシウム、たんぱく質をアミノ酸に分解する代謝を助けるビタミンB6、精神の安定や睡眠に深く関わっているセロトニンの材料になるトリプトファン、抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノールも含まれています。
また、食物繊維やクラフトオリゴ糖、ペクチンなど腸内環境の改善が期待できる成分も豊富。エネルギー補給源としてだけはない注目の栄養成分が凝縮されているのです。夏風邪をひいたときや、夏バテで体力が低下したときなどに、手軽に栄養とエネルギーをチャージできるのが魅力的です。

●熱帯生まれのバナナは冷やしすぎに注意!

バナナの多くはフィリピンなど海外からの輸入品。熱帯原産のため、寒さが得意ではありません。保存の適温は12~15℃とされ、10℃以下では低温障害を起こし、甘くなる前に黒ずんでしまいます。
バナナの皮の表面には多くの気孔(きこう)があり呼吸をしているため、かたさが残る未熟なバナナは紙袋などに入れて涼しいところで常温保存して追熟を。表面にシュガーポット(茶色い斑点)が出てきたら熟成が進み、食べごろのサインです。熟したバナナは甘みが増すだけでなく、免疫力も高まると言われています。

●皮が黒く変色してても食べて大丈夫?

なお、適度に熟したバナナであれば1本ずつラップに包むかビニール袋に入れて、野菜室で冷蔵保存しても大丈夫です。皮が黒く変色することがありますが、数日程度であれば味に大きな影響はありません。
また、バナナは皮をむいて凍らせるだけでポリフェノールの量が増加するとも言われています。食べきれないバナナは、傷む前に1本ずつラップで包み、冷凍保存するのもおすすめ。筆者はよく凍ったバナナをスムージーにしていただきます。氷なしでもよく冷え、牛乳やヨーグルトを加えるとカルシウム強化も兼ねられます。

 

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、三輪正幸監修『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店,2015、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018


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